BDU
COMBAT INSIGNIA, PATCH LAYOUT
アメリカ軍が使用するBDU(Battle Dress Uniform)には所属部隊章や名前、兵科などの記章(INSIGNIA)を指定の場所に配置する為の規定が存在する。時期や派兵先、使用部隊などにより多少の違いはあるものの、基本的な配置は同じである。BDU、DBDU、DCUに於いて使用されるパッチは基本的にはサブデュードと呼ばれる迷彩効果のあるパッチだが、国旗などを装着する際には一部カラーパッチなども使用する。以下はBDU採用当時主に使用されていたパッチの配置。

アメリカ陸軍BDU用コンバットインシグニア配置表
 部位 パッチの種類  備考 
右襟 階級章
RANK
襟に縫い付けるタイプのミニ階級章または同サイズのメタル製のピンオン固定式階級章。布製はOD色地に黒の階級章だが、少尉、少佐用のみ中尉、中佐と形状が同じ為、金色の刺繍になっている。金属製の場合は主に黒色であるが准尉の各4階級で黒とグレーのツートンカラー、少尉と少佐ではそれぞれ中尉、中佐と形状が同じ為、艶消しのシルバー金属章となる。
左襟 階級章、兵科章
RANK/BRANCH
兵、下士官は左襟と同じ階級章。将校の場合は兵科章を装着する。兵科章も布製、金属製が存在する。代表的な兵科は歩兵科、騎兵科、機甲科、憲兵科、航空科、特殊部隊、軍事情報、参謀、副官等。
左胸(ポケットフラップの直上) 部隊テープ 全軍共通で所属部隊のテープを貼り付ける。それぞれU.S.ARMY, U.S. NAVY, U.S. AIRFORCE, U.S.MARINES。仮想敵部隊OPFOR(OPPOSING FORCE)等。米軍とは関係無いが基本的にアメリカの各準軍事組織でも同じ位置に所属テープを貼り付ける。FBI, SWAT他
左胸(部隊テープの直上) 戦闘/特別技術章
COMBAT/SPECIAL SKILL
戦闘歩兵章または個人で保有している技術章。主な特別技術章は降下兵章、上級降下兵章、最上級降下兵章、空中突撃章、爆発物処理章、上級爆発物処理章、ダイバー章、潜水回収士章、原子炉操作士章、優秀歩兵章他。
左胸(技能章の直上) 戦闘/特別技術章
COMBAT/SPECIAL SKILL
戦闘歩兵章または個人で保有している技術章。主な特別技術章は降下兵章、上級降下兵章、最上級降下兵章、空中突撃章、爆発物処理章、上級爆発物処理章、ダイバー章、潜水回収士章、原子炉操作士章、優秀歩兵章、航空機搭乗員章、航空士章、上級航空士章、パスファインダー章、パラシュート整備士章他。戦闘歩兵章は上段に装着。主な戦闘歩兵章は戦闘歩兵章1st,2nd,3rdAwd、戦闘降下兵章、その他外国降下章他。
右胸(ポケットフラップの直上) ネームテープ
NAME
全軍共通でネームテープを貼り付ける。BDUの場合はOD地に黒の文字。隊員の姓を記載。
右胸(ネームテープの直上) 特別技術章
SPECIAL SKILL
個人で保有している技術章。
右胸ポケット 胸章 右胸ポケットに縫い付ける特殊胸章。通常の兵士は使用しない。主なものは教育係軍曹章、ジャングルエキスパート章、パナマジャングルコース修了章、オーナーガード章他。
左胸ポケットフラップ 特別技術章
SPECIAL SKILL
個人で保有している技術章。主な特別技術章は降下兵章、上級降下兵章、最上級降下兵章、空中突撃章、爆発物処理章、上級爆発物処理章、ダイバー章、潜水回収士章、原子炉操作士章、優秀歩兵章、航空機搭乗員章、航空士章、上級航空士章、パスファインダー章、パラシュート整備士章他。
右胸ポケットフラップ 特別技術章
SPECIAL SKILL
個人で保有している技術章。主な特別技術章は降下兵章、上級降下兵章、最上級降下兵章、空中突撃章、爆発物処理章、上級爆発物処理章、ダイバー章、潜水回収士章、原子炉操作士章、優秀歩兵章、航空機搭乗員章、航空士章、上級航空士章、パスファインダー章、パラシュート整備士章他。
左肩 部隊章
UNIT PATCHES
国旗の場合部隊パッチは右肩に装備する。年代によっては部隊パッチの下に星条旗パッチを装着するか、部隊パッチの代わりに星条旗を装着。
右肩 国旗または部隊章
FLAG/UNIT PATCH
国外活動の際などには国旗(星条旗)を装着するか星条旗が横方向に反転したもの(リバースフラッグパッチ)を使用する。国旗をつけない場合は直前に所属していた部隊パッチ。

*海外の作戦地域に於いては部隊テープ(U.S.ARMY他)及びネームテープ、左肩に部隊パッチ、右肩にリバーススタイルのフラッグパッチ(星条旗)、襟に階級章を着用するが、技術章や戦闘章は着用されない。また特殊部隊ではすべてのパッチを取り外している場合がある。戦闘装備の場合ヘルメットや帽子の正面に階級章を装着する。年代によってはネームテープはバックパックやハイドレーションパック、防弾ベストなどにも使用される。海兵隊ではポケット上部にそれぞれU.S.MARINESの部隊テープとネームテープのみ装着。

襟部分は左右同じ階級章を使用するが将校の場合左側は兵科章となる。写真は二等軍曹(SSGT)
左肩は所属部隊のパッチを縫い付ける。写真は第一野戦軍。年代によっては部隊パッチの下に星条旗を装着。主に海外派兵時。
左胸はポケットフラップの直上に所属軍のパッチ。写真はアメリカ陸軍。その上には個人で獲得する特別技術章もしくは戦闘歩兵章を装着。写真では戦闘歩兵章CIB/1st Awd。最大2つまで装着し、戦闘歩兵章がある場合は技術章より上に配置する。
ポケットフラップにはその他の個人技術章を取り付ける。
ポケットフラップ直上にはネームテープを取り付ける。右ポケットには胸章をつけるが着用は希で写真のパッチはジャングルエキスパート章。ネームテープ直上とポケットフラップには個人技術章を着用。
右肩には存在すれば直前まで所属していた部隊パッチ、ベトナム戦争従軍時のパッチ等が着用される。海外派兵時にはリバースパターンの星条旗パッチが装着されるが左肩に星条旗パッチがある場合、部隊パッチを右側に装着する。写真のパッチは第25歩兵師団。