BDU
BATTLE DRESS UNIFORM
WOODLAND CAMOUFLAGE PATTERN
COAT & TROUSERS

HOT WEATHER
 1981年に制式採用され、1982年からのレバノン、1983年のグレナダに於けるアメリカ軍の作戦に使用されたウッドランドBDUであったが、夏期のレバノンや熱帯地域のグレナダではBDUの通気性に対する不満が出た。特殊部隊やレンジャー、海兵隊では部分的に熱帯向けのRDFパターンが使用されていたが、BDU自体は熱帯地域には不向きであった為、アメリカ軍では熱帯用のRDFパターンを参考に熱帯用BDUの開発、改良を行った。この結果1985年より夏期、熱帯地域用のHOT WEATHERモデルと従来型の中間気温、冬期向けBDUの2種類を一般部隊用として採用した。熱帯向けのHOT WEATHERモデルではリップストップ生地を再び採用し、素材もRDFパターンやトロピカルユニフォーム同様に薄手のコットン100%となった。
HOT WEATHERモデル採用にあたってはここまで数年間使用されたBDUの不満を解消すべくいくつかの改良も行っている。ポケットの配置は従来通りだが、胸部のポケットのマチのある方向が初期モデルと比べ逆方向になっている。襟のサイズは熱帯地域での使用やコスト面から小型化され、腰部分にはサイズを微調整するストラップが装備された。軽量、快適なリップストップタイプのBDUは以降普及が進み、寒冷地向け以外では多くの部隊がリップストップタイプのBDUを着用していく。
 またこの頃から一般市場や準軍事組織向けにBDUの基本スタイルを利用した多彩なカラーバリエーションのBDUが生産されていく。主なカラーとしてはオリーブドラブ、ブラック、ネービーブルー、カーキカラーなどでこれらは一部特殊部隊や各準軍事組織にも採用された。またアメリカの警察が保有するSWATなどもBDUスタイルの戦闘服を使用した。アメリカ軍の官給品としても各カラーバリエーションが仮想敵部隊や特殊部隊向けに支給された。
HOT WEATHERモデル背面。腰部には特徴的なウエスト調整ストラップが配置されている。
ラベル配置は初期型と同じ位置でそれぞれ襟元にサイズ、ストックナンバー。右ポケット裏地に予算年度、マニュアル、製造メーカーが記載されている。また記載名称が従来のCOAT,WOODLAND,CAMOUFLAGE PATTERN,COMBATからCOAT, HOT WEATHER, WOODLAND〜に変更され、熱帯向けである事が記載されている。モデル名の下には素材がコットン100%である事が記載されている。
リップストップ生地(左)とナイロン/コットンポプリンとの比較。リップストップスクエアのサイズは従来のトロピカルユニフォームと同じ規格が採用されている。

TROUSERS, HOT WEATHER, COMBAT, WOODLAND
CAMOUFLAGE PATTERN
トラウザースは素材の変更と共に、フロントファスナー部分にカバーフラップが追加装備されている。これはBDU以前に使用されていた熱帯戦闘服で採用されていたもので、HOT WEATHERモデルのBDUでのみ採用されている。ポケットのサイズ、個数、配置は変更がなくシートパッチ、ニーパッチなどの補強もそのまま採用されている。
ボタンフロントにはカバーフラップが追加されている。熱帯地域での害虫、泥等の侵入を防ぐ目的が考えられる。
ラベルの配置は従来のモデルと同じで、コート同様にHOT WEATHERの表記が追加されている。またコットン100%の表記も存在する。