BDU
BATTLE DRESS UNIFORM
WOODLAND CAMOUFLAGE PATTERN
COAT & TROUSERS

3rd
ENHANCED TEMPERRATE WEATHER
ENHANCED BDUは1993年頃からアメリカ軍に使用されている強化改良型のBDUである。これまでのBDUと同様に熱帯用のHOT WEATHERモデルと温和気候、冬期向けのTEMPERRATE WEATHERモデルが生産されている。ENHANCEDモデルは10年以上が経過しているウッドランドBDUの再設計とコストの見直しを目的に研究が行われた。主に素材の見直し、染色の耐久性の向上などが行われ、特に初期の頃に激しかった洗濯時の色落ちなどが改善されている。またアメリカ軍では1993年頃より装備品の管理にバーコードが使用された事により、BDUにも管理用バーコードが装備された。バーコードは紙タブを使用した簡素なものでナイロン製のワイヤーに固定されBDUに装着された。これらは使用時には切除される。
この更新に伴い、アメリカ軍で使用されている砂漠用迷彩服のDCUや一部の部隊で使用されていたOD、カーキ、ブラックカラーのBDUなども以降ENHANCEDモデルで生産されていく。また90年代後半には各市販メーカーが生産するBDUもENHANCEDモデルに更新されている。この改良型BDUは1993年から使用され、陸軍ではACUが採用される2008年まで使用が続いた。またBDUをいち早く更新した海兵隊でも2000年代初頭まで、空軍や海軍でも2000年代中頃まで使用された。一部の特殊部隊や海兵隊では2010年以降も使用が継続されている。

COAT, WOODLAND CAMOUFLAGE PATTERN; COMBAT
ノンリップ素材を使用するTEMPERRATE WEATHER用のENHANCED BDUはコスト削減の問題からウエスト調整用のストラップが廃しされ、カフス周辺のデザインが一新されている。またアメリカ軍では1980年代後半よりPASGTボディーアーマーが普及した為、ボディアーマー着用時には殆ど使用されないポケットのデザインが変更されている。
BDU背面。ウエストのサイズ調整ストラップが廃止されている。
コートラベルの配置は従来と同じで裏地襟元部分にサイズとストックナンバーを記載したラベルが配置され、裏地下部ポケット部分に予算年度とマニュアルが記載されたラベルが配置されている。
1993年より使用されている管理用バーコード。
カラーは金属製のピンオン徽章を使用しても摩耗しにくい様に厚手になっている。
ポケット(CARGO LOWER LEFT FRONT, CARGO LOWER RIGHT FRONT)はコスト面やボディアーマーなどを着用した際には使用頻度が減る点から簡略化されたデザインになっている。ポケット外側以外のマチは廃止されドレーンホールも廃止されている。
袖口は摩耗が激しい部位の一つである為、大幅に改良されている。全周をくるむように当て布を行いその先端がサイズ調整用のカフスを兼ねている。これにより生産性と強度の向上を実現している。また当て布の幅は袖をまくる際の基準の幅に幅になる様にデザインされている。
従来のBDUとの比較。サイズ調整はプラスチックボタンを利用した三段階で従来のものと変わらない。
TROUSERS, WOODLAND CAMOUFLAGE PATTERN; COMBAT
ENHANCED TEMPERRATE WEATHERモデルのトラウザースは従来のTWモデルと比較して大きな変更点は無いが膝のニーパッチ部分に配置されていた二箇所のマチが廃止されている。ポケット、ラベルの配置は従来と同じで、管理用のバーコードが追加されている。
ボタンフロントのファスナーはフラップカバーの無いタイプで従来のノンリップTWモデルを継承している。ウエストの裏地は従来のモデルは裏地を向きだしにしていたものが多かったが、ENHANCEDモデルではウッドランドの生地が織り込まれている。
トラウザース後部。シートパッチ、ポケット配置等変更はない。
ETWBDU(写真左)ではニーパッチに配置されていたマチはコスト削減を目的に廃止されている。従来のTWBDUでは膝のニーパッチ左右にストレッチを良好にする目的で両端にそれぞれマチが設けられている。